5分でわかるインタビューのコツ 〜初めてでも失敗しない準備から質問の仕方まで

 ゲームのプロモーションや関連コンテンツを数多く制作している当社ですので、さまざまな媒体でインタビューをする機会は数多くあります。プロデューサーやクリエイターといったゲーム業界の関係者はもちろんですが、近年ではイベントの関係で声優さんのお話をうかがうことも多くなりました。
 インタビュー記事は貴重な情報を聞かせてもらうことが目的ですが、その人の魅力を引き出すのも大きなポイント。書籍でもWebでも人気の高い企画ですが、今回はそんなインタビューを行う際に必要な準備やコツなどを紹介します。

 なお、過去に「オンラインインタビューのポイント 〜コロナ禍でのインタビューで注意したいこと〜」
という記事も掲載しています。こちらはオンラインインタビューならではの注意をまとめた記事になっておりますので、ぜひそちらもあわせてご覧ください。

 

目的と取材対象

 最初に当たり前のことをお話しすると、インタビュー記事とは、誰かに対して取材を行い、その取材内容をもとに書かれた記事になります。取材対象がはっきりしていますので、内容への信頼度が高くなり、リアルな情報を提供できるのが普通の記事と異なるところです。
 また、上でも触れましたが、情報というよりは取材される対象者の人柄そのものを伝える目的で行うこともあります。
 どちらにしてもインタビューを行う場合は、まずどういう情報を知りたいのか、その目的を明確にして、さらにその情報を提供してもらえそうな適切な人選を行わなければなりません。

 

インタビューの準備

(1) スケジュールの確保

 人選が完了したら、まず優先すべきは対象者のスケジュール確保です。特に多忙な方や複数人のキャスティングをする際は、可能なかぎり早く依頼をかけましょう。相手がどなたであれ、最低でも実施日から2週間以上前、できれば1カ月以上前には依頼したいところです。
 依頼の仕方はさまざまですが、当社のようにゲーム関係の場合は、取り扱うタイトルやイベント名、目的や掲載媒体、テーマ、インタビュー形式、人数、おおまかな場所(都内予定など)、撮影の有無などを「依頼状」にまとめてお送りすることが一般的です。

(2) 場所の確保

 対面でのインタビューでは、場所の確保が必要になります。レンタルスペースやスタジオなどを仮押さえし、対象者のスケジュールが決定したらすぐに本予約をします。シンプルなインタビューであれば、関係会社の社内会議室で行うことも多いです。

(3) 機材の準備

 インタビューの内容をすべて保存しておく必要がありますので、録音機材は必須です。当社では「テレコ(テープレコーダー)」と称していますが、これはカセットテープ時代の名残で、実際にはボイスレコーダーを使います。
 近年では高性能化してきているスマートフォンで録音したり、オンラインインタビューではWeb会議用のアプリやPCで録音(録画)することもあります。また、複数人で話す座談会の場合は、誰の声か判断するために映像も撮っておくと安心です。
 このように録音機材は状況や時代によってさまざまですが、必ず複数の機材で録音するようにしましょう。インタビューは基本的にやり直しがききませんので、1つの機材が不良を起こしても大丈夫なように準備してください。

(4) 撮影の手配

 インタビュー時の写真を掲載する場合は、別途カメラマン、メイク、スタイリストなどの手配が必要なこともあります。このあたりは対象者によって異なりますので、インタビューのコンセプトも含めて決めておきましょう。
 写真を大きく扱わないような記事でしたら、スマホで撮影することもありますし、アーティストであれば当日の写真撮影はなしでいわゆる「アー写(宣材写真)」のみの掲載となる場合があります。いずれにせよ取材対象者には撮影の許可や写真掲載の有無などを確認するなど、事前に話は通しておきましょう。

 

質問事項の準備

 インタビューは行き当たりばったりではなく、大半の場合は質問事項を対象者へ事前に共有しておきます。質問を考える際、いくつかのコツがありますのでご紹介いたします。

(1) 質問は広すぎず狭すぎず

 質問が広義すぎると答える側も迷ってしまいますが、的を絞りすぎても話を広げにくくなってしまいます。
例)
悪い例:今回のイベントはいかがでしたか?
良い例:○○さんは今回のイベントが初参加となりますが、どのようなお気持ちで臨みましたか?

 ときにはあえて広い話や狭い話にするテクニックもありますが、原則としては具体的な質問、5W2Hを押さえた質問が無難でしょう。

(2) 答えを想像しておく

 相手に「どう答えていただけるか」までシミュレーションして、答えやすく想像しやすい質問にしましょう。(1)の良い例の質問を例にとってみると、「緊張した/しない」「楽しみだった/不安だった」などの答えが想像できます。
 その予想した答えから、さらに展開される質問までを考えておくことで、より深いインタビュー記事になります。

(3)必要な質問の数

 対象者にもよりますが、1時間のインタビューであれば10種類ほどの質問を事前に共有しておくといいでしょう。想定以上に長くなったときのことを見越して、優先順位をつけておくとベターです。
 ただ、実際にどれだけの質問ができるかは当日になってみないとわからず、対象者が口下手だったときは逆にボリュームが不足してしまうケースもあります。そんなときのために、事前共有した質問を掘り下げるような別の質問もいくつか用意しておきましょう。

 

インタビュアーの心得

(1)予備知識を入れておく

 インタビュアーの知識が豊富であるに越したことはありません。とはいえ話をするのは取材対象者ですので、その知識は情報を引き出すことに使いましょう。

(2) ほかのインタビュー記事を読む

 旬な人ほど多数のインタビューを受けていて、同じ質問に何度も答えている可能性があります。そういう記事にも目を通しておくと、自分たちがインタビューする際にとても役立ちます。
 たとえば、どうしても定番の質問をせざるを得ない場合でも、既出の質問を事前に把握しておくことで、「他社様のインタビューと同じ質問もあるかと存じますが……」と前置きができるようになります。
 また、ほかのメディアでされている質問とは少し視点をずらしたり、「〇〇の記事ではこうおっしゃってましたが……」と既出の質問に割く時間を短縮して1つ先のことを質問したりもできます。

(3)キャッチボールを心掛ける

 事前に質問を共有しておくことは大事ですが、質問と答が紋切り型になってしまうのは避けたいところ。上の「質問事項の準備」の「(2)答を想像しておく」でも書きましたが、想定される答から次の質問へ次々に展開していくと、話が弾んでより生きたインタビューができます。
 たとえば「今度のイベントは大変だったのではないですか?」という質問に対し、「大変でした」という答を得られてもおもしろくも何ともありません。そこからさらに「何が大変?」、「なぜ大変?」、「どのように対応したのか?」、「前と比べてどうだったか?」などなど、いくらでも話を膨らませたり深掘りすることができますし、こちらの熱心さも相手に伝わりやすくなります。
 Q&Aという一方通行的なスタイルではなく、話を展開させることで、会話のキャッチボールができるよう心掛けましょう。

(4)リアクションはしっかりと

 インタビュー成功の何よりの近道は、取材対象者に気持ちよく話してもらうことです。そのためには当たり前ですが、相手の話をしっかり聞いて、きちんと聞いていますよというリアクションをとること。
 大げさでなくてかまいませんが、うなずいたり、共感したり、ときには驚いたり、反応をしながらインタビューを進めましょう。

(5)対象人数が多い場合にすべきこと

 取材対象者が複数人いるのに、特定の人がほとんどしゃべっていない……ということもあります。記事にしたとき極端に偏っているのはインタビュアーの力量が問われてしまいますし、何より対象者にも読者にも申し訳ないことです。
 インタビューは全体のバランスを考え、話をする人がなるべく均等になるよう意識して質問を投げかけるように心がけましょう。どなたかが先に答えてしまっても、「〇〇さんはいまの〇〇さんのお答えについてどう思われますか?」というように横展開する手もあります。

 いかがでしたでしょうか。以上が当社でインタビューをするときに行っている準備や心がけていることです。これらがすべてではありませんが、以上のことだけでも覚えておけば、初めてのインタビューでもきっと失敗せずに進行していただけることでしょう。
 実際はここから記事にするため、録音した音声を文字に起こしたあと、原稿の形に整える「成形」という作業があるのですが、それはまた別の機会にお話したいと思います。

関連記事