ストックフォトサービスの注意点〜ご利用は規約をよく読んでから〜

ストックフォトとは?

 ストックフォトサービスというものをご存知でしょうか。
 出版や映像、Web等の制作に携わっている方なら、一度は利用されたことがあると思いますが、これは写真や映像をはじめとしたマルチメディア素材の提供サービスです。よくあるシチュエーションを想定した、数多くの素材が用意されており、制作会社が使用料を払って、目的に応じた素材を使用できるというものです。
 サービス会社によって名称は多少異なりますが、一般に無料で使用できるフリー素材はストックフォトに含まれません。有料の素材提供サービスのみストックフォトと呼ばれます。

 ストックフォトには多くのメリットがありますが、もっとも大きいのはやはり時間と費用の削減でしょう。ことあるごとに自分たちでイメージを作り、被写体を準備し、カメラマンを探し、スタジオやロケハンも……などとやっていては膨大な時間と手間、費用がかかります。目的に応じた多くの素材からイメージあったものを選ぶだけで完了するフォトストックは、制作者の大きな味方といえます。

 ちなみに写真素材を貸し出すビジネスは数十年前からありましたが、数も少なく、非常に高価でした。しかも当時はインターネットなどありませんから、貸し出してくれる店舗や会社に直接出かけていき、その場でポジフィルム等を確認して選ばなければなりませんでした。
 しかし、インターネットの普及によって、写真素材を画像データとして、オンライン上で手軽に提供・支払いをすることができるようになり、爆発的に普及していった経緯があります。

ストックフォトサービスの注意点

 ところでストックフォトの画像や映像は、料金さえ払えば自由に使えると思われがちですが、そんなことはありません。使用範囲が意外と細かく決まっている場合もあり、知らずに使うと大きな問題になってしまうこともあるのです。
 そこで今回はストックフォトサービスを使う際の注意事項についてまとめてみました。簡単にまとめると、注意事項は大きく下の3つになります。

注意事項1:ライセンスと使用範囲
注意事項2:被写体の権利について
注意事項3:元データの譲渡

 

注意事項1:ライセンスと使用範囲

 多くのストックフォトサービスでは、ひとつの素材に複数のライセンスが設定されており、ライセンスによって使用料と使用範囲が異なります。また、目的や使い方にもいろいろな制限がつけられている場合もあります。
 そのため購入前にライセンスごとの違いを確認し、使用目的にあったライセンスを選びましょう。費用を抑えるために一番安いライセンスを選ぶと、自分の想定していた制作物に使えない場合もあります。たいていサービス会社のライセンス比較ページなどに記載されていますので、購入前には必ず確認するようにしましょう。
 サービス会社によってライセンスも使用範囲もさまざまですが、主に以下のような点に注意しましょう。

●単品購入/定額プラン
 必要なものだけを購入する場合はもちろんですが、今後も継続して使いたい場合は定額プランが便利です。月額プランが主流ですが、月内で購入できる枚数が多いほど割安になります。

●使用回数/使用期限
 素材に応じて、使える回数や期限が定められている場合もあります。ライセンスフリーであれば一度購入すれば、以後、何度でも使うことができます。

●媒体利用者の範
 「印刷物に使う場合、発行部数が合計○○○部まで」とか「番組に使用する場合、視聴者数が○○○人以下であること」といった制限があることもあります。

●使用目的
 「素材として使うのであれば可能だが、素材を直接売ることは不可」とか「公序良俗に反する媒体には使用不可」など、目的によって制限されることもあります。

●利用者の範囲
 個人で使うのか、複数人で使うのか、法人として使うのか。こちらもサービス会社によってさまざまです。

注意事項2:被写体の権利について

 人物や建物の写真を利用する際、よく肖像権などの権利関係の問題が発生します。
 ストックフォトサービスでは、それらの問題をクリアし、素材の購入後すぐに素材を使用できるように「モデルリリース※1」「プロパティリリース※2」といった使用許諾が素材ごとに取得されています。
 ただし、素材の中には、被写体の使用許諾が取られていないものもあります。その場合は、購入者が写真を撮影したカメラマンや建物の権利所有者、被写体のモデルなどに写真の使用許諾を取る必要があります。

 使用許諾が取られているかどうかを見分けるには、販売されている素材の詳細に「モデルリリース取得済み」といった記載がされていたり、販売されている素材は、すべて許諾が取られている旨が利用規約に記載されていますので、そちらを参考にしましょう。
 承認に時間がかかってしまうこともあるので、被写体の権利関係がクリアされているかは事前に確認することが肝心です。

※1:モデルリリース:被写体のモデルから、撮影した写真の使用について同意を得るための書類
※2:プロパティリリース:被写体となる建物や店舗などの権利所有者から、撮影した写真の使用について同意を得るための書類

注意事項3:元データの譲渡について

 ストックフォトで購入した素材を成果物に使用し、クライアントに納品する場合、納品時に購入した素材も請求されることがあります。
 ここで気をつけなければいけないのが、購入した素材の譲渡については、ストックフォトのサービス会社によって規約が異なるという点です。規約を確認せずに素材の使用権利が購入者にある状態で、クライアントに素材を譲渡すると、後々問題になることもあります。
 そのため、クライアントへ納品するデータにストックフォトの素材を使う場合は、事前に規約ページを見るか、サポートセンターに連絡して、譲渡について確認しておきましょう。また、譲渡OKでも譲渡する際に使用権利譲渡書の作成が必要になることもあります。

 また、トラブルを避けるため、ストックフォトの素材を利用するときは、素材の購入をクライアント側に依頼するなど、目的に応じて利用方法も検討するとよいでしょう。

 いかがでしたでしょうか。今回はストックフォトサービスを利用する際の注意事項をまとめてみました。
 なかでも注意事項2の「被写体の権利について」と注意事項3の「元データの譲渡」は権利問題に関係するため、より注意が必要です。注意事項1の「ライセンスと使用範囲」はもし失敗したとしても自分たちの損失だけの問題ですが、2と3は第三者とのトラブルに発展するリスクもあります。
 便利なストックフォトサービスですが、利用するにあたってはきちんと規約を読んでからにしましょう。

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