「店舗の売上やオンラインの売上、全部がバラバラに管理されていて数字まとめるの面倒」
「せっかくのファイルもローカルに置いておくと出先で見られない」
「ノートパソコンでデータを持ち歩くとセキュリティ上、危険だし…………」
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パソコンでさまざまなデータをまとめたり、グラフを作成したりするための表計算ソフトといえば、やはりMicrosoftの「Excel」が有名です。もちろんExcelは非常に優れたソフトウェアですが、有償ですから企業単位での新規導入やバージョンアップの際にはそれなりの費用がかかりますし、インストールなどの手間もあります。また、古いとローカルでの作業しかできないといったことも発生することがあります。ローカルの端末すべてで足並みを揃えることは、大企業でもないかぎり難しい面もあるでしょう。
そんな悩みを抱えている方におすすめしたいのがGoogle社が提供している無料のクラウド型表計算ソフト「スプレッドシート」です。
まずクラウド型の表計算ソフトにどのような利点があるか見ていきましょう。
コロナ禍の現代、今やさまざまな場所でのリモート業務が前提になってきています。しかし、リモートの場合、ローカルにデータがあることで何かと支障をきたした経験はないでしょうか。
特に更新頻度が高く、日々チームや部署で共有するファイルを、リモートでのローカル作業で各自が扱う場合、データの結合や連携などで非常に効率が悪くなったり、トラブルが発生しやすくなります。
その点、クラウド型のサービスはどこでも複数人で触ることができるほか、リアルタイムな更新を可能とするので、集計データや資料などもリアルタイムにアウトプットすることもできます。
Excelのようにソフトをパソコンにインストールして使用するのではなく、スプレッドシートはインターネットを介して使用するWebアプリケーションの一種です。ダウンロードやインストールは必要ありません。
「Googleアカウント」さえあれば誰でも利用することができ、費用も一切かかりません。ですからGmailなどを利用していれば、すでにアカウントはお持ちのはずなので、すぐに使うことが可能です。
※ただし、一部機能はビジネス向けの有償サービスG Suiteの利用となります。
※Excelも最新の「Office365」ではクラウドサービス化をスタートしています。
では、実際に「Google スプレッドシート」を使ってみましょう。
(1) Googleにアクセスし、ログインを押してGoogleアカウントにログインします。
Googleアカウントがない方は新規作成してください。
(2) Googleにログインしたらまずは「Googleドライブ」にアクセスしましょう。
(3) アクセスしたら、左上の新規ボタンをクリックして、スプレッドシートを選択します。
(4) すると、新規のGoogleスプレッドシートが立ち上がります。
これで準備完了です、Googleスプレッドシートは入力する度に自動的に保存されます。
「Google スプレッドシート」は、ブラウザを閉じると作業が中断されます。「Googleドライブ」に途中まで編集したスプレッドシートが保存されているので、再開したいときは中断されたファイルをダブルクリックしてください。
●ファイル名の変更
左上のファイル名を選択すると、ファイル名を変更することができます。タイトルがそのままファイル名となります。
●シート名の追加
左下の「+」ボタンをクリックすると新しいシートを追加することができます。シート名は自動的に番号がついて追加されます。
●シート名の変更
ページ下部のシート名をダブルクリックすると、シート名を編集できます。
●シートの編集
シート名の「▼」をクリックすると、シートにまつわるさまざまな編集が可能となります。
●削除
シートを削除します。
●コピーを作成
同一ワークブック内にシートをコピーします。
●別のワークブックにコピー
当該シートを別のスプレッドシートへコピーすることが可能です。新しいスプレッドシート、既存のスプレッドシート、どちらにもにコピーができます。
●名前を変更
上記にて説明したシート名の変更が可能です。正直ダブルクリックした方が早いです。
●色を変更
シート名に色をつけることが可能です。
●シートを保護
シートを保護し、誤って削除することを防ぎます。範囲などいろいろな設定が可能です。
●シートを非表示
当該シートを非表示にすることが可能です。もう1度表示させたい場合は、左下の「≡」から当該シートを選択してください。
●コメントを表示
セル内に記載したコメントを表示させることができます。複数人で同一シートをやり取りする際などのコミュニケーションを取るときに便利です。
●左右に移動
シートを左右に移動させることができます。ドラッグで移動させることも可能です。
●共有方法
右上の共有ボタンをクリックすることでさまざまな形で当該スプレッドシートの共有が可能です。
●ユーザーやグループと共有
特定のユーザーにだけ共有することができます。特定のユーザーというのは、Googleアカウントを持っている人のみという点に注意してください。
●リンクを取得
権限を変更することで、リンクを知っていれば誰でもアクセスできるようになります。
●ダウンロード
作成したスプレッドシートをローカルファイルとしてダウンロードすることができます。これはページ上部の「ファイル」メニューから選ぶことで可能となります。ダウンロード形式はさまざまな種類があります。
スプレッドシートはスマートフォンでも相互に利用が可能となります。iOS/Androidともにアプリが用意されているので、それぞれ下記のページからダウンロード、インストールすることで利用できるようになります。
スプレッドシートにはアドオンという拡張機能が用意されています。アドオンを導入すると、複雑なシートの作成がボタンひとつで利用可能となります。
アドオンは「Google Workspace Marketplace」でたくさん用意されています。その中で、即時性の高いおすすめアドオンをいくつかご紹介しましょう。
「Google Analytics」
Googleが提供しているWEBサイトのアクセス解析ツールの「Google Analytics」の「API」と自動連携してレポート内容をGoogleスプレッドシートに転記してくれるアドオンになります。
任意に指標やディメンション、フィルタやソートなどを実行でき、レポート情報をまとめるのに非常に優れています。
フィルタについては、「正規表現」という文字列のパターンマッチングをしなければいけないので多少高度となります。
「Template Gallery for Sheets」
見積書や請求書などのレイアウトを簡単に作成できるアドオンになります。ビジネス書類のテンプレートはゼロベースだとかなり時間がかかりますから、作成の効率化には大変有効です。
「Word Cloud Generator」
ワードクラウドとは文章内で出現頻度の高い単語などを、頻度に応じた大きさで図示する手法です。Twitter分析などでユーザーがつぶやいている傾向などを視覚化する際に効果的で、このワードクラウドをスプレッドシートのシート情報から作成することができます。
作成したワードクラウドは「SVG」形式でダウンロードが可能となります。
「Box for Google Workspace Add-on」
セキュアなコンテンツ管理を可能とする「Box」を直接利用ができるようになります。すでに業務でBoxを利用している場合は導入検討もよいと思います。
「diagrams.net for Sheets」
ブラウザベースのドローアプリケーション 「diagrams.net」との連携が可能です。システム開発業務などにおいて、システム構成図などさまざまな図版を効率よく起こすことができます。
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いかがでしたでしょうか。今回は「Google スプレッドシート」のメリットと使い方を簡単にご紹介させていただきました。スプレッドシートは無料で使え、とても便利な機能がたくさんありますので、これを機会に試してみてはいかがでしょう。また次の機会がありましたら、より具体的な使い方をご紹介させていただきたいと思っています。
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