手書きラフのススメ 〜よりよいデザインにたどり着くために〜

 日々、制作に励んでいるデザイナーの皆様、お疲れさまです!
 今回は限られた時間の中でデザイン案をよりよく仕上げるための、「手書きラフ」についてお話ししたいと思います。

 よりよいデザインにたどり着くための一番の近道、頭の中にあるキーワードやアイデアを俯瞰で見ることができるのが手書きラフです。アナログで制作するにしてもデジタルで制作するにしても、手書きラフの重要性は今も昔も変わりありません。

 また、手書きラフはデザイナーだけのものではありません。自分の考えやイメージを具体化する手段となるので、企画書をまとめたり、プレゼン資料を作るといった作業にも有効です。つまり手書きラフはクリエイターのみならず、その他のクリエイターや企画、営業など多くの職種で役立つテクニックといえるのです。
 これまで手書きラフを作成していなかった人は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

 

手書きラフとは?

 ここでいうラフとは『ざっくりとしたイメージ図』のことです。もちろん英語の「rough」からきた言葉で、本来は「粗い、大まかな」という意味があります。その意味のとおり、手書きラフには精密さ・正確さは求められません。頭の中にふんわり存在しているイメージを書き出すことが大切で、制作物を作成するうえでの最初の大切な一歩となります。

 そのメリットはいろいろありますが、具体的には次のようなものがあり……

・紙とペンだけで簡単に始められる
・紙にアウトプットすることでイメージが掴みやすい
・情報が展開しやすく、修正が簡単
・PC上で行うより早く作業できる

 その結果として、以下のような効果が生まれます。

・PC上ではラフの落とし込みだけでよく、制作中の悩む時間を減らせる
・ブレない軸を作ることができる
・案ごとのコンセプトの差別化を図りやすくなる
・的確にプレゼンができるようになる……etc

 

手書きラフを行わずに制作すると……?

 手書きラフを行わず、いきなりPC上で作業をしたほうが効率的と考える人もいるでしょう。そこで、まずは手書きラフを行わずに制作した場合を見てみましょう。
 新人のデザイナーAさんはクライアントとの打合せ後、さっそくPCに向かいましたが……

 いかがでしょう。身に覚えのある方もいるのではないでしょうか。

 上のようにいきなり画面に向かって作業をしてしまうと、ムダに試行錯誤の時間が増えてしまい、何か違うとわかってはいるけれど……ということが発生しがちです。
 これはPC上でアイデアを形に落とす作業、試行錯誤する作業が、手書きに比べて時間も手間もかかるから。そして何より、めざすべきゴールが見えないからです。その結果、アイデアもまとまりにくくなり、悩む時間だけが増えていくわけです。
 そういった事態に陥らないためにも、「画面とマウス」ではなく、まずは「紙とペン」で作業を進めてみましょう。

 

手書きラフってどうやって書くの?

 手書きというと「自分は字が汚いから」「絵が下手だから」と尻込みしてしまう人もいるかもしれません。ですが、これは基本的に「自分のためだけに書くもの」なので、そこは気にせずにガンガン書いていくのがオススメです(クライアントに見せる必要がある場合には、その際に改めて清書すればOK)。
 道具に関してはその場にあるA4用紙&ボールペン、お気に入りのノート&シャーペンなど、基本的にはなんでも大丈夫です。筆者はストレスなく修正できる消せるボールペンがお気に入りですが、デジタル派の方はタブレット&スタイラスペンなど、そこはお好みで。

手書きラフ作成の流れ(ロゴデザインの案件例)

①キーワードを書き出す
 まずはキーワードを紙に大きめに書きましょう。クライアントからヒアリングしたコンセプトや目的など、ポイントになるキーワードです。
 その後、キーワードから連想されるワードを思いつくまま書いていきます。マインドマップでも箇条書きでもかまいません。自分が見やすい形でOKです。

②キーワードから導き出されたイメージの絵を描く
 キーワードをもとにデザイン案を描く……のではなく、キーワードから連想されるイメージ単体の絵を描くのがオススメです。たとえばクリスマス関連の案件であれば、リース、クリスマスツリー、星、靴下などなど。自分がわかればよいので、適当なスケッチで十分です。

③出てきた要素をまとめる
 ①と②で要素をある程度まで出し切ったら、そこから要素を組み合わせて、まとまりごとにタイトルをつけてみましょう。

④手書きラフを書く
 導き出した案ごとのタイトルをもとに手書きでイメージラフを描いて、デザインイメージをまとめていきます。
 途中で思いついたキーワードやアイデアを盛り込んだり、描いていくうちに案同士が同じようなテイストになってしまっても、その都度、柔軟に変更しても大丈夫。それらを比べて、適切な方を残していけばいいのです。描いた案に固執しすぎて長い時間悩んでしまう場合は、あえてまっさらにして描きなおすのもオススメです。

※ここでは筆者のやり方を参考に挙げていますが、もちろんラフは自由に描いてかまいません。「PC作業の前に、紙の上でアイデアをだいたいの形にする」ということが重要なのです。

 

手書きラフができるようになると……

 では最後に、あらためて手書きラフを行ってロゴデザインを制作した、新人デザイナーAさんの様子を見てみましょう。

 
 というわけで、「手書きラフのススメ」、いかがでしたでしょうか。遠回りのように思えますが、手書きラフでアイデアを形にすることは、PC上での作業の際、悩んだり試行錯誤する時間が減り、スムーズにデザインを進めることができます。しかも単に時間短縮できるだけではなく、デザインのクオリティ向上にも有効。また、クリエイティブな業務以外でも幅広く使えるテクニックでもあります。
 慣れないうちは少し時間がかかるかもしれませんが、ぜひ習慣化して、今後のお仕事にお役立てください。

 

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