イラスト会社がほしがる! 〜駆け出しイラストレーターのためのコミュニケーション術〜

 働き方の多様化が進み、自分の「好き」を副業にしたり、そのまま独立してフリーランスになる方が増えています。当社の取引先にも、そういったフリーランスの方はたくさんおりまして、中でも特に多いのがイラストレーターさんです。しかし趣味でイラストを制作するのと、ビジネスとしてイラストを制作するのとでは、どうしても勝手が異なる場面も出てきます。
 そこで今回は、特にゲーム業界向けにイラストレーターとして活動する場合、コミュニケーションのうえで気をつけた方がいいポイントをまとめてみました。イラスト会社とのやりとりをスムーズにするには、よりイラスト会社にアピールするには、といった実用的内容となっていますので、もしみなさまの活躍の一助になれば幸いです。
 なお、当社スタッフの一方的願望も一部含まれていますのであらかじめご了承ください。

 過去記事では「イラストレーターさん必見〜イラスト受注時に注意したい5つのポイント〜」という記事もありますので、あわせてご覧いただければ、よりお役に立てるかと思います。


 

SNSの上手な使い方

 個人の情報発信において、SNS以上に手軽で便利なツールはないでしょう。イラストレーターとして活動される方の場合、TwitterとPixivの両方で情報発信をされている方が非常に多いです。当社でも、新しいイラストレーターさんを探すときには大変重宝しています。
 とはいえ、そんなSNSが効果を発揮するのも適切に利用できればこそ。ここではSNSを利用する際のポイントを6点挙げてみましょう。

①メールアドレスを記載する

 せっかくやり取りが手軽にできるSNSなのに、なぜわざわざメールアドレスが必要なのか、不思議に思われる方もいるかもしれません。理由は三つあります。
 最初にそのSNSの利用規約。SNSの種類によっては、サービスを利用した商取引のやり取りを禁じているものがあります。
 次が身元の信憑性。SNS上のメッセージに比べれば、ドメイン等で身元を確認できるメールアドレスのほうがイラストレーターさんにご安心いただけると考えております。SNSの匿名性は、ビジネスにおいてはあまり効果的ではありません。
 そして最後がセキュリティの問題。たとえばTwitterでは非公開のリスト情報が漏洩したり、NoteではIPアドレスの漏洩事故が発生しています。それでなくとも、ふとした気のゆるみや不意の事故でSNSから情報を流出させてしまうケースは枚挙にいとまがありません。
 知り合うきっかけはともかく、いざビジネスの話に入るのであれば、機密情報をやり取りする場面も多いため、メールでのやりとりの方が安全なのです。これはイラストの仕事にかぎったことではありません。

※なお、メールアドレスをプロフィールに記載するのは不安だと言う人もいるかと思います。
そのため容易に個人を特定できるようなアドレスを使うのは止める。@を★など、ほかの記号に置き換えて、その旨の註釈を入れておく。リンクの形にしない。これらを守ることである程度は迷惑メールを防ぐことができます。

②スケジュール状況を定期的に更新する

 毎日とは言いませんが、1週間~半月に一回程度、自身のスケジュール状況をアップデートすることをオススメします。自己紹介欄に「仕事受付中/繁忙中」を記載するだけでも印象がだいぶ変わります。もし年単位で更新がない場合、活動されているのかどうかという問題にもなってきますので、それは間違いなく仕事にとってマイナスです。
 仕事受付中と記載しておけば声をかけてもらいやすいのはもちろん、受けられないときはしっかり受けられないと書いていただけると、スケジュール意識、納期意識がしっかりしているという印象を与えますし、その後の仕事につながりやすくなります。

③作品を載せるならPixiv

 ほかのSNSがだめ、というわけではありませんが、作品を確認しやすいのはやはり圧倒的にイラスト投稿型に特化したPixivです。両方に載せていれば問題ありませんが、どうしてもPixiv以外の運用にしたい場合は、完全に仕事用と割り切ったほうが効果的です。プライベートと併用するアカウントの場合、特に日常の写真投稿が多いと、せっかく投稿した作品が埋もれてしまう恐れがあります。
 また、作品だけでなく自分の得意分野やどういうイラストで売っていきたいのかについても、簡単でかまわないので記載があると参考になります。

④アイコンは自分の作品がベター

 イラスト会社がイラストレーターを探すとき、必ずしも名前やIDでアカウントページに直接辿りつくとはかぎりません。さまざまな条件で調査をして、その都度ニーズに合う作家を探すケースはとても多いのです。
 そんなとき、アイコン画像は一発目のヒントになることが往々にしてあります。自身の作品露出の場として活用してみてはいかがでしょうか。

⑤立ち絵を載せる

 魅力的なポージングでのバストアップ、美麗な背景、カッコいいエフェクト、作品を掲載するときに見栄えのよいイラストを選ぶのはとても自然な流れです。ただ、全体のごく一部でかまわないので、立ち絵の作品も載せておくことをオススメします。画力やテイストの確認で最終的な決め手になるケースが多々あります。

⑥Pixivのタグの付け方

 タグについては、「こういう付け方をしてくれたら見つけやすいのに……」というポイントがあります。当社で重宝しているのが「美少女」や「モンスター」といったモチーフのタグ、「厚塗り」や「セル塗り」といった塗りのテイストのタグ、そして「立ち絵」や「背景」といったイラストの種類のタグです。イラストレーターの絞り込みにかなり重宝する要素なので、ぜひ追加してみてください。
 

メールの作法

 メールのマナーについては、そこまで気にすることはありません。ビジネスマナーを知っているに越したことはありませんが、マナーや敬語の使い方を気にしすぎてメールが億劫になっては本末転倒。それよりもどんなメールをどんなタイミングで送るかのほうが圧倒的に重要です。そんなメールのやりとりのポイントを、ここではふたつご紹介しましょう。

①すぐに返信を出すだけで好印象

 丁寧でなくとも、敬語でなくとも、素早く返信がいただける方には相談をしやすいです。たとえば制作依頼の打診をするとき、「いついつまで忙しいので受けられません」とその日のうちに返信をいただけるだけで、次の相談もグッとしやすくなります。
 というのも、結果がすぐにわかれば、依頼側はその分だけ早く次の手が打てるからです。返信が早いというだけで声をかけられるケースは確実にあります。

②制作進行中のやり取りについて

 無事、仕事を受注できたあとのやりとりも重要です。コミュニケーション不足がトラブルの原因になることも決して少なくありません。
 まずは、やはり返信です。送られた内容に対して「了解です」と四文字返していただけるだけで「ああ、ちゃんと見てもらっているな」と確認できるので、非常にありがたいです。実際に「そのメールを見ていませんでした」という事故はわりと頻繁に発生するのです。
 制作指示書はしっかり確認しましょう。指示書を受け取ったら、制作着手前に不明点をしっかり質問することで、相手もきちんと読んでいることがわかって安心できます。質問がない場合でも、上で書いたように「了解です」のひと言は返しておきましょう。
 最後は、危険を感じたらすぐに連絡すること。つまりスケジュールに間に合わなそうだと思ったら、まずは一報を入れましょう。
 納期が間に合わないと発注側はスケジュール調整に奔走することになり、場合によってはそのイラストを制作する以上のロスコストが発生してしまいます。「間に合わないです」という連絡を事前にいただいて、結果的に「やっぱり間に合いました」となったとしても、被害は圧倒的に少なく済みます。
 

おしまいに

 いかがだったでしょうか? 今回は当社の例をもとに、イラスト業を続けるうえで気をつけたいポイントを、特にコミュニケーションにしぼって紹介してみました。
 イラストの描き方を教えてくれる学校は多くありますが、フリーランスとして商業的に活動していくノウハウを教えてくれる機会や場はそれほど多くありません。そのためイラスト制作以外のことで頭を悩ませたり、求められていることに気づかなかったりするケースは意外に多く、その結果、仕事を逃してしまっているケースもあるかもしれません。特に新人さんであればなおさらでしょう。
 もちろん売れっ子になれば露出も増え、いちいちSNSを気にする必要もなくなるでしょうし、より親密な関係ができれば、最低限の連絡ですむようになるでしょう。
 とはいえ経験の浅いうちはそうもいきません。イラストレーターとしてまだデビュー間もない方でしたら、ぜひ今後の活躍のご参考にしていただけたらと思います。

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