皆さん、こんにちわ。キュービストでWebディレクターをしておりますTAです。
連載企画「Twittre APIを使用したユーザーマーケティング」ですが、ここまででTwitterからの情報取得や活用、Twitter上の情報のあり方について記事を書かせていただきました。
今回は最終回ということで、Twitter上でキャンペーンやプロモーションを行う際のポイントをあらためてまとめてみました。
まずTwitterの情報を活用する際に、何を対象とするのか挙げてみましょう。ここでは大きく3つに分けています。
A. 対象アカウントの調査
B. 既存・アクティブユーザーの調査
C. 類似アカウントの発掘・調査
この3つを基本として、目的に応じて使い分けることになります。
A. 対象アカウントの調査
プロモーション対象となるTwitterアカウントを調査します。具体的には、投稿内容やタイミング、インプレッション、エンゲージメント含めた情報を収集します。
同時にゲーム内の情報から、ユーザーの活動タイミングやホットコンテンツなどが投稿内容と乖離していないかの調査を行います。
意外に多く見られるのが、ゲームとSNSアカウントが分離して連携がとれていないという状態で、これは開発・運営チームとプロモーションチームが分かれており、横展開できるような取り組みが弱いことに原因があります。
B. 既存・アクティブユーザーの調査
対象アカウントの調査が終わった後は、それにぶら下がっているフォロワーの調査となります。どのようなフォロワーが存在しているか、具体的には活動頻度や属性、趣味、思考、目的を調査します。
この際に、ノイズとなるユーザーを洗い出してリスト化することで、今後の活動が効率的となります。フォロワーは必ずしもファンというわけではありません。情報収集を目的とした競合系のアカウントだったり、懸賞を目的としたユーザーも混ざっています。それをしっかりとノイズとして処理することが必要になります。
C. 類似アカウントの発掘・調査
最後に、対象アカウント及びノイズを除いたフォロワーアカウントを分析した結果から、類似の競合アカウントを特定します。
これは複数アカウントを広い範囲で用意することが重要です。例えば『ファンタジー系』、『2D』、『アクション』、『対人』、『リアルタイム』というゲームがあるとしたら、3~4つのタグに類似するアカウントを確保しておきます。これらすべてに合致するアカウントも重要ですが、少しずれているアカウントを確保することで、今後の企画の幅が広がります。
ここで取得した類似アカウントのフォロワーの中で、本コンテンツのアカウントをフォロ−していないユーザーが新規獲得ユーザーとなりえるユーザーといえます。
収集した情報は目的別に使い分ける必要がありますが、その目的とは何でしょうか?
突き詰めると『コンテンツからの収益の増加』が最終的な目的といえるでしょうが、それを満たすための段階的な小目的を設定します。大きく分けると小目的には以下のようなものがあります。
A. 認知度の向上→新規ユーザーの増加
B. 理解度の向上→ユーザーの定着
C. 既存ユーザーの成長
A. 認知度の向上→新規ユーザーの増加
純粋にユーザーの増加を目指すという目的です。ここで気をつけたいのが、新規ユーザーの獲得だけでなく、目線がついつい既存ユーザーにも向いてしまうこと。つまり新規ユーザーと既存ユーザーへのキャンペーンを混同させてしまうケースには要注意です。
その両方を対象にするキャンペーンがあってもかまわないのですが、施策に落とし込む段階でそれが認識されていないと、あまり効率的とはいえません。
よくあるのが、下記のようなコピーを用いたバナーです。
『事前登録者数10,000人で〇〇〇ゲット!』
(〇〇〇にはキャラクター名が入ります)
いきなり「〇〇〇ゲット」と言われても、新規ユーザーにとって○○○の価値や魅力は伝わりません。このゲームが他のアニメやマンガ等で知名度の高いIPを用いたものであればともかく、オリジナルのIPやキャラクターであれば、せっかくのアピールも空回りとなってしまいます。ゲームの提供側にとってはパワーワードでも、それがターゲットに正しく届いていない例といえるでしょう。
たとえば、ここに「最高レアリティ!」や、「事前登録者限定!」等の付加情報があったり、事前にゲームの概要や世界観などを露出・提供しておけば、その情報をしっかり共有することができ、先ほどのバナーも十分に活かせるようになります。
B. 理解度の向上→ユーザーの定着
こちらは獲得したユーザーや既存ユーザーがゲームに定着することを目的としています。ゲームの理解度の向上を行うことで、ゲームへののめり込みを促進します。
ユーザーのゲーム内の状態を判断し、どのような部分で詰まっているか、どこが盛り上がっているか、どこが情報として拡散されやすいかを理解します。そのうえで適切なユーザーに適切な情報をアナウンスすることが基本となります。
たとえばゲーム内の情報から、チュートリアル後のボスの戦闘で離脱しているユーザーが多く、そこが初回の離脱ポイントであると判明したとします。
するとその関連キーワードを絞り、Twitter上の書き込みを調査したり、Googleトレンドでどのような攻略情報が検索されているかを調査します。
詳細が明らかになったところで、攻略の鍵となる情報のアナウンスを行ったり、サイト上にTipsとして掲載することで、ゲーム進行が円滑になるよう改善を進めていきます。
新規ユーザーの獲得や課金率向上といったダイレクトな施策に比べると、軽く見られがちですが、ユーザーの定着は長い目で見れば非常に重要な要素となります。
C. 既存ユーザーの成長
3つ目は既存ユーザーの成長。つまり課金を促すことを目的としたものです。ただ課金を促すのではなく、ゲーム全体のイベントへの参加や、新規ユーザーの呼び込みを自発的に行うユーザーの創出も含みます。
ともすると「B. 理解度の向上→ユーザーの定着」の延長線上にあるように思えますが、それ以上にユーザーターゲティングが重要となります。
そのためにゲーム内のユーザーデータだけではなく、さまざまな情報を統合・分析することで、事細かなユーザーへの施策が必要となります。
いかがでしたでしょうか。今回は「Twittre APIを使用したユーザーマーケティング」の最終回ということで、その目的と活用の仕方について簡単ですがまとめてみました。実際に活用するには、コンテンツに応じてより詳細に固めていく必要はありますが、それはまた別の機会に紹介できればと思います。
今回の連載でもっともお伝えしたかったのは、「情報も適材適所」ということです。目の前に情報があっても、当事者の目的や手法が異なれば、その有用性も大きく変わってきます。それらの重要性について多くの人にご理解いただき、まだ未熟なこの分野がもう少し盛り上がってほしいと思います。
本来、ユーザーの情報収集や分析は、理想をいえばゲームの作り手や提供者が行うのが一番です。なんといっても「そのサービスが実装されている意図」を何より実感している方々ですから。とはいえ作り手の方々がそれをやっていては、あまりに効率が悪いのも事実。
そういったジレンマを感じていらっしゃるなら、ぜひ当社に一度ご相談いただけると幸いです。
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