Twitter API を使用したユーザーマーケティング 〜 第5回 Twitterキャンペーンのダークサイド 〜

 皆さん、こんにちわ。キュービストでWebディレクターをしておりますTAです。
 連載企画「Twittre APIを使用したユーザーマーケティング」ですが、これまではその仕組みとともに、実際にどのような使い方をするのか解説してきました。
 今回はそれらの記事でも取りあげたTwitterキャンペーンについて、少し注意したいことがあるので取りあげてみます。

Twitterキャンペーンとは?

 まずは、Twitterキャンペーンについて、少しおさらいしてみます。近年、急増しているTwitterキャンペーンですが、基本は企業アカウントが主導となり、モバイルゲームなどのコンテンツのプロモーションとして行う場合が一般的です。
 基本的には以下のようなスタイルが多く見られます。

 ① 対象のアカウントをフォロー
 ② キャンペーン対象のツイートをRT(リツイート)
 ③ 上記リツイートしたアカウントから抽選、あるいはもれなくプレゼントを行う

 皆さんもよく目にされることと思います。プレゼントの内容はゲーム内に反映されるデジタル上の場合もあれば、リアルなグッズの場合などさまざまです。
 これらの目的としては、「コンテンツの認知度の上昇」と「フォロワーの増加」があります。対象のツイートをRTしてもらうことで情報の拡散が行われ、コンテンツの認知度が上昇します。また条件の「フォロー」が実施されることで、今後情報をアナウンスできる「フォロワー」が増加し、アナウンス力の上昇が可能になります。
 上記のキャンペーンが基本形となり、そこにくじ引きのような当選機能を追加(インスタントウィンキャンペーン)したり、ゲームやコンテンツとのID連携を実施する場合もあります。
 また、寄せられたTwitterを分析することで、ゲーム内容の改善に活用する場合も多くあります。解析自体には労力や費用がかかりますが、ここで全情報をきちんと管理することで、今後のゲーム運営やプロモーションに活かせるわけです。

 応募情報の収集には、SNS管理用のツールやサービスを使用したり、TwitterAPIを直に使用したりするのが一般的です。システム自体はそれほど難しいものではなく、比較的、手軽に実施できるため、多くの企業が採用しているプロモーション施策のひとつといえるでしょう。

個人が行うTwitterキャンペーンもある?

 企業が行うTwitterキャンペーンの中身はご理解いただけたでしょうが、最近、目立つのが個人で行うTwitterキャンペーン。これはいったいどういうものなのでしょうか?

 注目されるきっかけになったのは、大手ファッションサイトを運営するZ社の創業者であるM氏が2019年に行った「お年玉キャンペーン」でしょう。それ以前からこういう活動はありましたが、M氏のケースでは総額一億円というインパクトもあり、一気に広がった感があります。
 しかし、M氏のキャンペーンはともかくとして、問題はそれ以後、M氏のやり方を模倣した個人キャンペーンが多く現れたことです。

 結論から書くと、これらの個人によるTwitterキャンペーンへの参加は、あまりおすすめできるものではありません。特に金銭授受に絡む場合は要注意です。間違いなく信頼できる個人のアカウントであったり、主旨が明確で違法性のないものならいいのですが、まず、そのことをどうやって判断するかという問題があります。
 また、そういったキャンペーンには、何らかの別の目的があって行われることも少なくありません。
 では、いったいどんな目的があるのでしょうか?

① 個人情報の入手
 基本的には個人情報の入手が目的です。Twitter上の少ない情報ですから心配ないと思っていても、キャンペーンに応募することでかなり個人の特定が可能になります。Twitterアカウント名およびIDは当然として、ユーザーが投稿したタイムラインの情報、フォローやフォロワー状況から、以下のような情報を読み取られる可能性があります。

 ・ユーザーの傾向
 「お金が潤沢ではない」
 「情報の価値に無頓着」
 「今後も類似キャンペーンに反応しやすい」

 ・年齢層
 ・住んでいる地域
 ・家族構成
 ・趣味・嗜好
 ・製品の購入歴や課金の状況、月に使用している金額
 ・他のキャンペーンへの応募状況
 ・ツイートする時間帯
 ・リアルフレンドの状況
 ・RTキャンペーン参加後にすぐフォロー外しするかどうか……等々

②情報の使い道
 では、獲得した情報をどう使うのでしょうか? これには大きく分けて2つあります。

 ・対象のアカウントに詐欺や更なる情報取得を行う
 ・取得した情報をリスト化し、販売する

 いかがでしょうか。インターネットやSNSを利用しているとはいえ、その目的や使い道をみると、内容自体は昔からある街頭アンケートや電話アンケートに似てはいないでしょうか。

企業Twitterとの違い

 これが企業のTwitterキャンペーンであれば、個人情報を取得する場合、その事実や使用目的などを明示してありますし、保護する期間や使用後の情報廃棄など、きちんと法律で義務づけられています。企業の公式アカウントであれば、その責任の所在もはっきりしているため、リスクはほぼありません。
 最初にも書きましたが、これらの解析も個人情報を特定するためではなく、ユーザーの満足度を向上させるため、ユーザー層の分析をしてゲームの改善に役立てる、ということであれば何の問題もないわけです。

 しかし、個人アカウントによるTwitterキャンペーンでは、まずアカウントの運営者の実態すら不明なことも多く、そういうものに参加すること自体がかなりのリスクを負うことになります。
 もちろんこれらの情報がすぐに取得されるということではありません。あくまでターゲットにされた場合、取得された情報をもとにここまで分析される可能性が高くなるということです。また、不正なアクセスによるハッキングとは異なり、こうした情報はユーザー本人が発信した情報がもとになっているため、本人の注意で防ぐことができます。
 「アカウントをすぐに消せばいい」、「個人情報を書かなければいい」、「ネットとリアルは別」と考える人もいるでしょう。確かにそういう面もないことはないですし、SNSをもとにした情報ですから信頼性はそこまで高くないのですが、収集する側にとってはSNSを使うことで収集効率が高く、「質より量」、「数打ちゃ当たる」という考え方になっており、実際にそれが有効となっている現実があるのです。
 インターネット上の被害はなかなか目に見えにくいこともありますが、自分の知らないところで自分の情報が取引されている怖さをまずは認識しておきましょう。一人ひとりが注意することで、こうした被害を未然に防ぐことができるのです。

おしまいに

 本日はTwitterキャンペーンのダークな部分を解説しました。TwitterにかぎらずSNSは大変手軽で便利なツールですが、ついついその危険性を忘れがちです。ツイートする側は個人を特定できるような投稿をしないよう注意することが大切ですし、逆にコンテンツを管理する側は、Twitterというだれでも閲覧できるビッグデータを扱っているという責任を常に意識することが必要です。
 当社も多くの機密や個人情報を扱うことから、2016年に「Information Security Management System」(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得しましたが、Twitterキャンペーンに関しても、これまで同様、十分に気を配っていきたいと思います。

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