イラストレーターさん必見〜イラスト受注時に注意したい5つのポイント〜

 ゲームのなかに使われるイラストの重要性はどなたでも想像がつくと思います。そのゲームの世界観を端的に表し、ときには売上にも大きな影響与えるほど、イラストはゲームのなかで大きな役割を占めています。
 そんなイラストを生み出しているのが、もちろんイラストレーターの方々(業界では絵師さんと呼ぶこともあります)。
 当社でもイラスト業務を手掛けていますので、多くのイラストレーターさんとおつき合いがあります。経験や作風もさまざまで、ゲームメーカーさんの要望に応えるべく、幅広くイラストレーターさんと結びついて、お仕事を発注させていただいております。

 さて、そんなイラストレーターさんにお仕事を発注する際、つまりイラストをお願いする場合には、当然ながらいろいろな条件がつきます。何をどのように描くのか、いつまでに描くのか、ギャランティはいくらか、制作に当たって特に注意すべき点はないかなどなど……それは多岐にわたります。
 面倒なところもあるでしょうが、ここを疎かにしておくと、あとでトラブルの元。イラストレーターさんや当社だけでなく、もとの依頼主でもあるゲームメーカーにも迷惑が及ぶこともあります。
 とはいえイラストレーターさんはフリーで営んでいる方がほとんど。ベテランの方ならともかく、まだ経験の浅い方だと何に注意すればいいのか、よくわからない方もおられるでしょう。
 そこで今回は、イラストの仕事を受ける際どういう点を確認しておけばいいのか、イラストレーターさんの側に立って、受注の際の押さえておくべきポイントをご紹介してみます。

 

① イラストの概要

 当たり前と思われるかもしれませんが、まずは何を描くのか、これを確認します。
 発注先が具体的な仕様をまとめた仕様書や指示書などを用意するのが普通ですが、ない場合は具体的にポイントをあげてヒアリングしましょう。

●打合せ内容は記録して情報共有しよう!

 打合せの際に大事なことは、打ち合わせした内容を発注先からあらためて文書(メール等、記録に残るもの)でもらうなりして、情報を共有することです。
 口頭だけではやはり忘れがちですし、それこそあとでトラブルの元になります。これは受注時だけでなく、すべての作業が完了するまで同じことがいえます。

●作品の世界観

 ゲームの世界観を理解することが重要です。時代背景や世界観の設定がイメージの元となります。中世ヨーロッパ風やスチームパンク風など、キーワードがあればのちのち自分で調べるときも便利ですので押さえておきましょう。
 それを踏まえて、塗りのテイストやテーマカラーなどを確認しておきます。

●点数と指示内容

 何を何点描くのかは当然として、ほかにも(キャラクターであれば)ポーズ、表情、状況設定、エフェクト、背景の有無などは確認しておきましょう。お任せの場合もありますが、その場合でも取りかかる前に確認はとっておくほうが間違いありません。
 また、同一キャラクターを2点といわれた場合でも、まったく異なるポーズなのか、差分でよいのかを確認しておきましょう。

●納品形式

 ファイル形式、納品サイズ、解像度、カラーモード、レイヤー構成あたりは必須です。事務的な部分ですが、これを間違えると、せっかくの作品もゲーム実装に間に合わない場合も出てくるので注意してください。

 

② スケジュール

 スケジュールで苦労されているイラストレーターさんも多いのではないでしょうか。仕事である以上、納期は絶対に守りたいところです。
 イラストの仕事の場合、〆切は最終的な納期だけでなく、工程上に段階的に設けられることがほとんどです。タイミングとしては(受注内容によっても異なりますが)、ラフ→線画→着彩というのが一般的でしょう。それぞれの工程においてクライアントのチェックが入り、最低でも1~2回の修正は想定しておくとよいでしょう。
 それらのチェックや修正の期間も踏まえ、可能なスケジュールかどうかを判断する必要があります。具体的には以下の点を押さえておいてください。

・仕様書や指示書などを受け取れる時期
・最終的な納期
・ラフ→線画→着彩、それぞれの提出時期の確認
・各チェックバックにかかる時間の確認

 実際にスタートすると、思いのほか制作に苦労したり、あるいは厳しいスケジュールでも無理して引き受けてしまう場合もあるでしょう。ときには発注側のチェックの時間が予想以上にかかる、修正が予想以上に手間取るなど、想定外のアクシデントも少なくありません。まずは事前に無理がないスケジュールかどうか、しっかり確認し、難しい場合はあきらめるのではなく、ぜひ事前に発注側に相談してください。

 

③ 稿料と請求について

●稿料

 事前に確認しておきたいこととしてギャランティ=稿料も重要です。
 イラストの稿料は、そもそものイラストにかけられる総予算、点数、スケジュール、求められるクオリティ、相場などを考慮して発注側が提示することがほとんどです。その金額が妥当かどうかは一概にはいえないですし、判断は難しいと思いますが、妥当でないと思えば、事前にきちんと相談してみましょう。
 仕事がかなり進んでしまってから相談しても、発注側も当初の予算をくつがえすことは難しいため、あまり期待はできません。指示書の内容とまったく異なる修正が入った場合などは、修正段階で相談するようにしましょう。
 なお、発注側から最初に稿料提示がなかった場合、イラストレーター側から尋ねても失礼にはあたりません。むしろ、これぐらいはほしいという要望があれば、見積りなどを提出してもよいでしょう。

●請求について

 イラストレーターさんのなかには、請求について無頓着な方がたまにいらっしゃいます。稿料と同時に、稿料の締め日と支払い日を確認しておきましょう。
 会社ごとに取引の合計を締める時期と、それに対応する支払いのタイミングが決まっています。たとえば「月末締めの翌月末払い」といった場合、イラストが最終的な検収を終え、納品が完了したのが5月中だとすれば、5月末までに請求書を発注側に送れば、6月末日に稿料が支払われます。

●「パートナーポータル」のすすめ
 ちなみに請求書の発行が遅れるイラストレーターさんは少なくありません。うっかり忘れることもあれば、事務処理が面倒でついつい遅れがちになることもあるでしょう。
 そこで当社では、請求書の自動発行システム「パートナーポータル」を開発し、運用しています。これに登録していれば、請求書を自分で作ったり、プリントしたり、発送したりする手間がいらず、オンライン上ですべての請求業務を簡単に行うことができます。
 二段階認証を行うなど、セキュリティにも万全を期していますので、まだの人はぜひお試しください。→「パートナーポータル」のご紹介はこちら

 

④ 権利関係

 ここも大変重要なポイントです。自分が描いたイラストの権利はどうなるのか、これはメーカーさんや作品によって条件がさまざまなので、まずは受注時に取り交わす「業務委託契約」などがどうなっているのか確認しましょう。
 最近ではモバイルゲームなどを中心として、基本的に「買い取り」が主流です。イラストレーターさんはイラストの著作権ごと譲渡する形となります。
 しかし、手放したからといって、一切、自分で使うことができないかというと、必ずしもそんなことはありません。それはイラストレーターとして自分の描いたイラストは大事な営業材料になるからです。そのためメーカーによっては、「●●のイラストについては、ホームページやSNSなど、Web上にかぎっては公開を許諾する」場合も少なくありません。また、「イラストは公開できないけれど、そのイラスト描いた事実は公表してもよい」とか、条件もさまざまですので、そういった特例が認められているかどうか、事前に確認しておいてください。
 確認を怠り、そういう契約を知らずにイラストを公開すると守秘義務違反等に問われますので、くれぐれも注意しましょう。

 

⑤ 情報セキュリティ管理

 イラストの受注時には「業務委託契約」と同時に、たいていは「秘密保持契約」もかわします。業務上、知り得た情報を他所に漏らさないという、ごく当たり前の取り交わしですので、あまり気にしている方は多くないかもしれません。
 しかしフリーランスや個人で仕事をしていると、目の前の仕事に追われたり、ビジネスとプライベートをついつい混同したりして、情報セキュリティについては疎かになりがちです。いったん情報漏洩事故を起こしてしまうと、クライアントやエンドユーザーの方々に多大な迷惑をかけるだけでなく、取引は停止となり、さらに最悪の場合は損害賠償を請求される可能性もあります。
 あらためて情報の管理については注意しましょう。

●「パートナー様向け情報セキュリティサイト」
 当社では、そんな情報漏洩を防ぐための一環として、イラストレーターをはじめとするパートナーの方々に向けて「パートナー様向け情報セキュリティサイト」を開設しています。こちらの内容を理解していただいて、ご確認いただいた方とだけお取引をさせていただいております。
→「パートナー様向け情報セキュリティサイト」はこちら

 

おしまいに

 いかがでしたでしょうか。
 イラスト制作はクリエイティヴな仕事だからこそ、明確なゴールが見えにくいという側面があります。アートとビジネスの両立といえば簡単ですが、特にクオリティに関しては数字で答が出るようなものではありません。ですから双方が納得できるよう、日々のコミュニケーションから大事にし、また、その前提として管理できるところはきちんと管理しておくことが重要といえるでしょう。
 今後のお仕事の参考になれば幸いです。そして当社からお仕事の相談があった場合には何卒よろしくお願いいたします。

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