ヒヤリハットの重要性 〜事故を未然に防ぐために〜

キュービストのこと,思わずシェアしたくなる話
2019.07.16

 あなたは「ヒヤリハット」という言葉をご存知でしょうか。重大な事故や災害には至らないまでも、それらに直結したかもしれない一歩手前の事象を意味する言葉です。文字どおりミスによって「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりすることです。
 もともとは労働災害における経験則のひとつ、「ハインリッヒの法則」からきています。これは、1件の重大災害の背景には29件の軽微な事故があり、さらに300件の異常が潜んでいるというもので、事故が発生する前の段階で、それらの原因をつぶしていくことを目的としています。

 この考え方は労働災害だけでなく他のことにも置き換えられます。たとえば当社の業務内容に当てはめてみると、ゲームに関する機密情報を多く扱っていますので、重大な事故=情報漏洩と考えることができます。
 当社ではISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を運用して、こういうリスクに対応していますが、このヒヤリハットをISMSを運用するための仕組みのひとつとして取り入れ、実際に情報漏洩を発生させてしまう前にその危険の芽を刈り取る活動を行っています。

なぜヒヤリハットを報告するのか

 実際に情報漏洩のトラブルが発生した場合、お客様にご迷惑をおかけしてしまうことはもちろんですし、ひいては会社の信用低下にもつながってしまいます。また、しっかりした再発防止対策を打ち出す必要がありますから、社内でかなりの時間を割く必要が出てきますし、そうなると本来やるべき仕事に支障が出るといった事態にもつながります。
 そういった事態を避けるためにも、重大なミスが発生する前に対策を行っていくことが必要になります。そんな会社に潜むリスクを洗い出してくれるのが、ヒヤリハットというわけです。

多くの事例が優先順位を示してくれる

 ヒヤリハットに該当する事象は、事故につながる前に食い止められてはいるので、ともすると軽視されがちです。しかし、個人ではたまたま起こったことだと思っていても、組織全体で見ると発生頻度が高く、無視できない事象である可能性も十分あるのです。
 そういったリスクを見逃さないためにも、ヒヤリハットは1件でも多く報告してもらうことが大切です。件数が多いほど、どのような事例が多いかといったデータの信憑性が上がり、どの対策を優先して行うべきかの目安にもなります。

報告の内容〜最初から完璧を求めない

 報告内容としては、以下のようなことがらをしっかり盛り込むことが理想です。

① 内容(できるだけ具体的に)
② 原因(多く挙げられれば挙げられるほど良い)
③ 対策(ソフト面、ハード面両方)

 しかし、いきなり完璧にやろうとしても、求められるレベルが高くて報告しづらい、内容が多いために報告すること自体がめんどくさい、などといった状況になる可能性が高くなります。

 そこではじめは気軽に報告できるように内容だけを報告してもらい、対策は本人を交えた複数人で考えるというようにしてもよいでしょう。
 報告するということに徐々に慣れてきたら(報告件数が上がってきたら)、発生した原因を考える→対策まで考えて報告する、といったように少しずつ段階を踏んでいくのも一つのやり方かと思います。

運用の際に注意したいこと

・報告すること=悪いことではない
 一歩間違えればミスしていたことを報告するということは何となく報告しづらい、後ろめたさのようなものを感じることもありますが、報告することは決して悪いことではありません。むしろ、対策を講じるチャンスと捉えましょう。
 したがって、報告が上がることは悪いことではない(報告者に不利益が生じない)、むしろ報告してくれて助かる(事前に対策できるよいチャンス)、ということを全員に周知することが大切です。

・一方的に押し付けない
 上司から部下に「いつまでに必ず報告すること」と一方的にいってもなかなか出てこないかと思います(やらされ感が出てしまったり、無理やり案を出しても改善に至らなかったりします)。
 思い当たる事象があれば職位にかかわらず、積極的に報告することで誰でも報告しやすい雰囲気にするのも一つの案です。

・事例を横展開する
 ヒヤリハットを報告した人がしっかりと対策を考えて実行に移すのは大切ですが、他にも同様の体験をした人がいて、先に有効的な対策を行っている可能性があります。そういった有効的な対策が個人で留まってしまうのは非常にもったいないことです。
 それを避けるためにも、挙げられた報告は積極的に公開し、よい事例は横展開することも組織全体の対策レベルの向上につながります。
 また、多くの人が確認することで、よりよい改善案(もっと効率的にできる、もっとミスをするリスクが減るなど)が出てくることも考えられます。

おしまいに

 いかがでしょうか。最初は手間に感じたり、各々が効果をなかなか実感できなかったりして思ったような成果が上がらないこともあるでしょうが、しっかりとした仕組みができ、運用できれば個人に留まらず組織全体の改善につながっていきます。
 ちなみに当社では社内のグループウェアを用いて、ヒヤリハット報告を行い、ISMSの担当者が対策を検討し、報告者への対応、社内への周知、業務改善への働きかけという形で運用しています。
 やり方はいろいろあると思いますし、ヒヤリハットに関しては各種セミナーが開催されていたり、関連書籍なども多く売られています。興味をもっていただけたら、ぜひ調べてみてはいかがでしょうか。何より大きな事故が起こってからでは遅いのです。

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