アニメ制作とイラスト制作の違いとは〜アニメスタジオで働いていた私がイラスト制作のディレクターになって〜

イラストのお仕事,業界裏話
2018.11.28

 今回はちょっと趣を変えて、当社で働くスタッフの声をそのまま載せてみます。そのスタッフが入社したのはほぼ一年前。以前はアニメ制作会社に勤務していましたが、その経験を活かし、当社ではイラスト制作のディレクターとして働いています。
 アニメとイラスト、似たような仕事ではありますが、その中身は案外異なります。今回はイラスト業務について、アニメとイラストそれぞれを経験した者の目で語ってもらいました。

はじめに

 はじめまして。わたしはキュービストに入社する前はアニメスタジオに七年程在籍していました。主に担当したものは長編映画で、その中で手書きの線や色、映像と向かいあい、何万何十万という紙に描かれた絵を見続けてきました。
 激務ではありましたが、とてもやりがいのある仕事でした。

 仕事場を変え、今はイラストの現場でディレクター・制作進行にはなりましたが(アニメの現場時代は制作進行だけには絶対にならない!と思っていたはずですが)、そのときの現場経験は役に立っておりますし、だからこそ今の仕事で気づいたことなどを書かせていただきます。

現場の人間の数

 現場で見るとアニメ制作には考えられないくらいの人間が動いています。1カットだけで監督、作画監督、演出、原画、動画、仕上げ、美術、CG、撮影、音響……さらにそれぞれ検査する人間がいるので1枚の絵をとっても大変な数の人手がかかっていることになります。

 一方イラスト制作では最小単位は個人です(規模が違うので仕方のないことですが)。
 イラストも工程によって複数に分けることは可能なのですが、テイストの問題などもあって、むしろ制作者が複数にまたがる方が、非常に完成が難しくなります。

描き方もこれだけ違う

 一概にはいえませんが、アニメの動画マンは個性を殺し、作画監督にあわせた絵を描くことが推奨されます。ときには同時に複数作品に関わることもありますが、その場合もカメレオンのように作品に応じて、それらを描き分けなければならないのです。

 イラストは逆に作家の個性を深めていきます。自分自身がブランドとなり、自分色を一面に出していきます。それゆえに細分化、量産が非常に難しくなってきます(だからこそ、逆にそういう専門化・分業化されたイラストのお仕事もあるのですが)。

イラストも今ではめちゃくちゃ動く

 アニメは動画で、イラストは静止画……確かにそうなのですが、必ずしもそうはいかないのが今の技術の凄いところです。

 今の時代、イラスト1枚でも、アニメーションのように動かすことができます。
 パーツを細かく切り分けさえすれば、それぞれを動かし、アニメーションを作成することができます。アニメでは瞬きをさせるのに、動画が数枚必要になりますが、技術の進化によりさまざまなことが可能となりました。

 こういった技術はゲームやCMなど、あらゆるところで使われており、今では導入されているかいないかでクオリティを図る物差しになりつつあります。

今の仕事に活きていること(その1)

 アニメスタジオの経験に加え、個人でイラスト業をやっていたこともあって、今のディレクター職では「どこの立場の気持ちもわかる」のが強みになっています。
 具体的には、イラストの制作過程や構造から、できあがった作品を紐解き、解釈し、それを作家やクライアントに伝えることができています。
 クライアントの意図を理解できれば、マッチングする技術を持っている作家や見せ方の得意な作家を紹介することもできます。作家の持つ個性や味、代表作を知っていれば、それを推してゲームのデザイン面から関わることも可能です。

 また、アニメ原作などのIPモノであれば、イラストの造りはアニメベースになりますが、これもアニメの現場経験があったおかげで、関係各所に細かく伝えることができています。

※IP……intellectual property(インテレクチュアルプロパティ)。知的財産のことですが、ここでは漫画やアニメやゲームの版権を指します。

今の仕事に活きていること(その2)

 映像にも関わりが深かったことからキャライラスト以外にも、背景やコンセプトアート、キャラクターデザイン、絵コンテなど、それぞれの専門家を適材適所で紹介できることも強みになっています。
 直近では絵コンテ制作をやらせていただき、絵コンテ~イラスト、素材の完成まで一貫して制作しました。映像の設計図から関わることにより、必要なものを齟齬なく、すべて準備して納品することができました。

おしまいに

 イラストとアニメには確かに別物ではありますが、それぞれの技術が融合した新しいものができつつあります。それにあわせて今までになかった仕事も増えています。そして、それを形にしやすいものが「ゲーム」という媒体でもあると感じています。

株式会社キュービスト
イラスト制作についてのお問い合わせはこちらから
https://www.qbist.co.jp/contact/index.html

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