前回の記事「イベントパンフレットの企画というお仕事」では、ゲームのイベントパンプレットについて、「〜最大の役目は、イベントの大切な想い出を、本という形にして残すもの〜」であるという前提のもと、それを実現するための工夫や企画についてご紹介してみました。
　そこで今回は前回とは少し違った角度から、パンフレット制作で苦労するところをご紹介してみようと思います。

ゲームイベントの種類

　ひとくちにゲームのイベントといっても、最近はずいぶん多彩な切り口で展開されるようになってきました。
　古くからあるのが、ゲームの実力を競う大会形式のイベントではないでしょうか。格闘ゲームやいわゆる落ちゲーを中心としたパズルゲームがよく使われますが、このタイプのイベントは近年では”eSports（イースポーツ）”として発展し、少しずつ日本でも認知されるようになってきています。
　また、定番ともいえるのが、ゲームのグラフィックを観賞する原画展やイラスト展、シリーズの歴史などを振り返る展示会形式のものです。
　そしてこの数年で、おそらくもっとも人気を集めているのが、ライブ形式のものではないでしょうか。キャストの皆さんによるトークライブやミュージックライブ、あるいはお芝居という具合にその内容もバラエティに富んでいます。
　ときには上に挙げたものを総合的に開催する大規模のものもあります。

　さて、そんななか当社でよく引き合いをいただくのが、ライブイベントのパンフレットです。
　アイドル育成ゲームやリズムゲームなど、ライブと相性のよいゲームが増えてきたことも関係あるでしょうし、そもそもそういったジャンルのゲームに出演する声優さんは、音楽活動を並行して行っている方が多いので、ライブ形式のゲームイベントが増えてきたのは当然なのかもしれません。
　そういうわけで当社でも、キャラクターとキャストさん、そして音楽の魅力を最大限に引き出し、ファンの方の思い出となるように、日夜スタッフが頭をひねりライブイベントのためのパンフレットを制作しています。

最大の苦労、それはスケジュール管理と交渉

　どんな仕事でもそうですが、パンフレット作りにおいてもそれなりに苦労は欠かせません。というと前回のお話しのように、企画が大変なのだろうとか編集上のことを考える方も多いと思います。
　しかし、当社スタッフがもっとも頭を悩ませることのひとつが、実は芸能事務所さんとの交渉ごと、とくにキャストのスケジュール管理だったりします。

　というのもゲームのライブイベントは出演者が多く、その分だけパンフレット1冊に関わる芸能事務所の数も多くなり、ときには関係する芸能事務所さんが20〜30社にも及ぶこともあるのです。その場合の交渉ごとやスケジュール調整はまさに至難の業となります。
　パンフレットに掲載する写真の撮影スケジュールから、できあがった写真のチェック、インタビューや取材の段取り、これにいろいろな企画ページ用の交渉が加わるなど、非常に多くのやりとりが発生します。
　そもそも出演者の大半が人気のある方々ばかり。単独撮影でもなかなかスケジュールを確保できない方がいるというのに、ここにキャスト同士の対談、グループ撮影などが発生するととにかく調整が大変です。
　いえ、実際はさらにカメラマンやヘアメイク、スタイリスト、撮影スタジオなども並行して手配する必要もありますから、スケジュール調整の難易度はもうMaxです。

ノウハウと人材を活かせるのが強み

　というようになかなか苦労の多いパンフレット制作なのですが、幸い当社では長年ゲームイベントに携わらせてもらっている関係で、これらを一括してスムーズに行うことが可能です。
　何よりパンフレット作りに欠かせないノウハウと人脈が豊富です。例えばカメラマンをとってみても、それぞれ得意な分野があります。当社では多くのカメラマンとの人脈がありますので、そのパンフレットのコンセプトに沿う写真を撮ることができるカメラマンに打診をすることが可能というわけです。

　ただ、そういったノウハウと人材を駆使しても、ときには簡単にいかないこともあります。そういうときには特別なテクニックなどはありません。パンフレットを買っていただくお客様に喜んでほしいという気持ちは、ゲームメーカーさんもキャストさんも当社も同じ。最後は熱意をもって、丁寧で粘り強い交渉、親身な対応をさせていただいております。

　さまざまな関係各社が絡むゲームイベントのパンフレット作り。誌面作りだけでなく、交渉ごとも含めてすべて当社が対応いたしますので、お悩みの際はぜひ一度ご相談ください。