5分で振り返るオンラインゲーム(ネットゲーム)の歴史

思わずシェアしたくなる話
2017.09.27

 今回はオンラインゲーム(ネットゲームとも呼ばれます)の歴史を簡単に紐解いてみます。

 ひと口にオンラインゲームといってもなかなか漠然としたイメージですが、基本的にはコンピュータのネットワークを通して他のユーザーのゲーム機やパソコンとつながり、オンライン上で同時にプレイできるゲームということができます。
 例えばプレイヤー同士がパーティを組んで冒険するRPGタイプ、プレイヤー同士が格闘やスポーツなどで戦う対戦タイプは代表的なところでしょう。
 また、そういった戦いの要素のない育成ゲームなどもありますが、それらは他のユーザーとの関わりは薄めで、ゆるいコミュニケーションを楽しむタイプのオンランゲームということができます。

 今では家庭用の据え置き型ゲーム機をはじめとして、携帯型ゲーム機やパソコン、さらにはスマートフォンなど、あらゆるハードやプラットフォーム上でオンラインゲームが楽しめますが、今から20年ほど前には、オンラインの要素自体がまだ非常に珍しいものでした。

黎明期:オンラインゲームは楽しいけど怖いものだった

 今から20年前の1997年に、オンラインゲームの祖とも言えるタイトルが発売されました。
 ひとつは多数のプレイヤーが同じ世界を冒険するMMORPGの祖、『Ultima Online(ウルティマオンライン)』。もうひとつは少人数のプレイヤーで一緒に冒険できるMORPGの祖、『Diablo(ディアブロ)』です。
 どちらも海外製のタイトルであり、遊ぶにはそれなりにパソコンや英語の知識も必要で、日本ではあくまでマニア向けという位置づけでしたが、多くのプレイヤーを魅了しました。

 当時、家庭用のゲームといえば1人で遊ぶものが主流で、みんなで遊べるゲームは多くはありませんでした。また、みんなで遊ぶには全員がどこか一箇所に集まって、しかもゲーム機やコントローラを複数用意しなければいけない場合が普通でした。「友だちとゲームで遊ぶ」には、とにかく物理的な制約が多かったのです。
 そんななか、オンラインゲームは時間や場所といった制約がなく、遠くの友だちと遊ぶことができ、さらには顔も名前も知らないプレイヤーと友だちになることさえできました。
 この新しい刺激は、一方でさまざまな問題も生んでしまいました。当時のインターネット接続は電話回線が主流で、オンラインゲームを遊んでいる間は電話をかけっぱなしの状態……つまり遊べば遊んだだけ通信費(電話代)がかかる仕組みだったのです。そのため寝食を忘れてオンラインゲームを遊びつづけてしまうと、高額の通信費を支払うハメになってしまうことも……。

 通信費問題を避けるため、「特定の時間帯だけ、いくら通信しても定額」という当時の「テレホーダイ」というサービスに加入するプレイヤーも多かったのですが、それはまた別の問題を生み出します。
 「特定の時間帯」……テレホタイムとも呼ばれた時間帯は「夜23時~朝8時」という、一般的にいえば「人が寝る時間」だったのです。その時間にゲームを遊びつづけてしまい、睡眠をとらずに会社や学校に向かうというプレイヤーが多く現れました。そうしてオンラインゲームにハマりすぎて現実をおろそかにするプレイヤーは「廃人」と呼ばれるようになり、世間的にも「オンラインゲームは社会生活に悪影響を及ぼすものである」というイメージがついてしまいます。

発展期:定額制ブロードバンドがオンラインを一般化

 2000年以降、MMORPGでは『ファイナルファンタジーXI』、MORPGでは『ファンタシースターオンライン』など日本製のオンラインゲームが続々と発売されました。これらは家庭用ゲーム機でプレイできるものだったので、パソコンや英語の知識がなくても気軽に楽しむことができ、一般のゲームファンにもオンラインゲームがぐっと身近なものになってきました。
 時を同じくして「月々定額制で何時間でも接続し放題」という、当時としては画期的な通信サービスが提供されはじめます。なかでもADSLという方式のサービスは価格も手ごろであり、大きな工事の必要もなく利用できたため多くのゲーマーに浸透していきました。プレイ時間や通信費といった問題が解消されたことでプレイヤー数は大きく増加し、オンラインゲームの市場はさらに活気づいていきます。

 ただ、テレホタイムの呪縛から解き放たれたことは喜ばしいのですが、「何時間プレイしていても通信費がかからない」というメリットは、一方でさらに長時間プレイに没頭する「廃人」を増やしていきます。ゲーム側も長時間遊んだ方が有利になるというシステムが多かったため、「誰よりも強くなりたい」「レアアイテムを手に入れたい」という願望を満たすには、度を超えた長時間プレイが必要とされました。
 定額制ブロードバンドの登場でオンラインが一般化していくなかで、「オンラインゲームは社会生活に悪影響がある」というイメージはまだ拭えていませんでした。

普及期:スマートフォンがオンラインを日常に

 定額制ブロードバンドで活気づいたのは、いわゆるMMORPGやMORPGだけではありません。2006年を過ぎたころから、家庭用ゲーム機にはインターネット接続機能が標準搭載され、大容量ファイルのダウンロードも可能となったため、オンラインを介したゲームの購入やアップデートも行われるようになりました。
 また、回線速度の向上にともない、FPSや格闘ゲームといったアクション性の高いゲームでも、オンラインを介した対戦・協力プレイが実現可能となっていきます。その競技性の高さも相まって、今ではプロゲーマー同士が戦う世界大会も開かれているほか、その様子をオンライン上で生放送して「ゲームを観戦する」という文化も生まれました。

 こうしてゲームのオンライン化が急速に進むなか、さらなる拡大のきっかけとなったのは、2010年ごろから普及しはじめたスマートフォンの存在です。

 スマートフォンは常時インターネットに接続されており、高品質なゲームを動かせるだけの性能も有しています。この端末向けに開発されるゲームが、「常時インターネット接続を活用したオンラインゲーム」になっていくのは自然の流れといえるでしょう。
 スキマ時間に遊べるように開発され、主にSNS上で提供されることの多かったスマートフォン向けのオンラインゲーム、いわゆる「ソーシャルゲーム」と呼ばれる類のゲームは、何かと忙しい日本人の生活スタイルともマッチしたのか、家庭用ゲームを超える勢いで普及していきます。

 そして現在、かつては「特別な機材と回線をそろえて、睡眠時間をつぶさなければ遊べなかったオンラインゲーム」が、この20年で「広く普及している端末で、移動中の暇つぶしにオンラインゲーム」という時代になりました。
 「ゲームが悪影響を与える」という意見は過去のものとなり、「歩きスマホ」や「高額課金」といった新たな問題も生まれていますが、誰もがオンラインゲームを遊ぶようになったことで、それらは個人に帰する問題という認識に移っています。オンラインゲームがようやく市民権を得たといってもいいでしょう。

オンラインゲームの未来は?

 オンラインゲームが市民権を得て爆発的に普及したことで、誰もが何らかのオンラインゲームを遊んでいると言える時代になりました。となると今後プレイヤーの母数が大幅に増えることは期待しにくくなり、多くのゲームで限られた数のプレイヤーを奪い合う状況が予想されます。
 ブロードバンドやスマートフォンのような新技術、あるいは誰もが驚くような新しいゲームシステムが生まれなければ、この停滞した状況が続くのではないかという意見もあります。

 そんな状況でオンラインゲーム(に限りませんが)は今後どういう形で進化してくのでしょうか。
 その筆頭に挙げられるのは最近話題のVR技術でしょう。VR技術がさらに発展すれば、より没入感の高いオンラインゲームが完成することは間違いありません。また、超音波を使って触覚を再現する技術も研究されており、それが一般化するところまで発展すれば、視覚・聴覚・触覚を用いた仮想現実ゲームが誕生する可能性もあります。もっと身近なところではHTML5を使ったオンラインゲームも注目を集めています。

 果たして次に向かう先はVRとの融合でしょうか、はたまた想像もつかない革新的なシステムでしょうか。そう遠くない未来に次世代のオンラインゲームがやってくるかもしれません。

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